喫茶チェーンとしては異質な経営数字
椿屋珈琲の好調を支えているのは、運営母体の財務的な堅牢さだ。
東和フードサービスの26年4月期決算を見ると、売上高133.14億円、営業利益9.83億円。高価格帯と手厚い接客を両立しながら、この利益水準を確保している点は特徴的だ。売上高に占める営業利益の割合は約7.4%(計算値)に達する。自己資本比率は79.2%で、総資産98.15億円に対して純資産は77.70億円という構造は、借り入れに依存しない経営姿勢を示している。喫茶チェーンを運営する企業としては、かなり保守的な財務だ。
同社が「椿屋珈琲グループ」として開示する数字を見ると、26年4月期の売上高は60.99億円(前期比107.1%)。期末店舗数は52店舗で前期から増減がない。少なくとも期末店舗数を増やさないなかで、同グループの売り上げは伸びている。
さらに、26年4月期決算短信によれば、社員の年間休日は119.1日、平均時間外勤務は月11.2時間、前年比5.7時間の削減。手厚い接客を看板にしながら、労務環境の改善も同時に進めている。
同社に取材経験をもつ業界記者によると、椿屋珈琲単体では残業時間が月1時間程度にとどまるという。同社全体の平均時間外勤務には、椿屋珈琲以外の業態も含まれるため、喫茶業態単体の労務負荷は、開示された全社平均よりさらに小さいと考えられる。
