「なんかインパクトが弱いな」と感じたとき、それをそのまま口に出しても部下には届きません。上司の仕事は、その違和感を具体的な言葉に翻訳することです。翻訳の道具は2つあります。
1つは数字。
と、期待値を数で示す。
もう1つは具体例。
と、過去の事例を引いて見せる。
「もっとインパクトを」「思い切った施策を」のような言葉では、部下は動けません。数字と具体例のレベルまで翻訳して初めて、期待値の目線がそろうのです。
たたき台を起点にすれば、部下は勝手に強くなる
「たたき台」は、部下の能力を測るテストではありません。上司と部下の「現状」と「期待する成果」をすり合わせ、チームの知恵を結集して最速で最適解にたどり着くための、いわば「最強のコミュニケーションツール」です。
優秀な若手ほど、その価値を本能的に知っていて、スピーディーにたたき台を出してきます。そのとき上司が、重箱の隅をつついたり、自分のあいまいな指示を棚に上げて「考えが浅い」と責任を押し付けたりすれば、彼らはあっという間に見切りをつけ、自分を活かせる場所へと去っていくでしょう。
逆に、レベルを見極め、感謝で受け取り、定数を揃え、リスクとリターンで導き、判断軸を示し、違和感を数字に翻訳できる。そんな上司のもとでこそ、部下は叩かれることを恐れずたたき台を重ね、自分の頭で考えながら、勝手に育っていくのです。
