東洋経済オンラインとは
ビジネス #自動車最前線

現地レポート!CEOに聞いたフェラーリ「ルーチェ」投入の意図、そして前衛的なデザインの真意

12分で読める
ローマ「チッタ・デッロ・スポルト」にて筆者とルーチェ(写真:Ferrari)
ローマ「チッタ・デッロ・スポルト」にて筆者とルーチェ(写真:Ferrari)
  • 越湖 信一 PRコンサルタント、EKKO PROJECT代表

INDEX


真のエポックメイキングな挑戦、それこそがブランド初のフル電動(BEV)モデルとしてベールを脱いだ「ルーチェ(Luce)」の発表である。

これは強力な競合の追随を許さない、独自の絶対的マーケットを確立しているフェラーリだからこそ成し得ることだ。跳ね馬はブランドの希少性とエクスクルーシビティを守るため、全体の生産規模は拡大しつつも、個々のモデルの販売台数は厳格に絞り込む戦略を貫いてきた。

今回のルーチェもまさにその一環であり、メーカー側はこのクルマをそれほど多く売ろうとは考えていないはずだが、ファーストロットは世界中のコレクターの間で瞬く間に完売となるだろう。

いまだかつてないプロポーションはまさに新世代のフェラーリ(写真:Ferrari)

熱狂的なフェラリスタとは、こうした前例のない破壊的な挑戦にこそ、最も強く惹かれ、おしみない対価を払う人々だからである。

しかし、このルーチェの全貌をひもとくにあたり、筆者が何よりも感銘を受けたのは、フェラーリがこのプロダクトの発表において驚くほど「慎重」な足取りを踏んでいる点だ。

発表までの緻密な情報管理と発信

彼らは今回、デザイン、インターフェース、あるいはパワートレインやビークルダイナミクスにいたるまで、それぞれの詳細な情報を極めて精緻に切りわけ、独立したテーマとして段階的に発信している。

フル電動化という、下手をすればブランドの魂とも言える「エンジンの咆哮」を失いかねない最大の転換期において、単にスペックを誇示するのではなく、各セクションの思想を個別に深く説明するアプローチを選んだのだ。

ブラックアウトされたグリルと一体感のあるヘッドライト(写真:Ferrari)

この情報発信のあり方そのものが、既存のファンに「これは紛れもないフェラーリである」ことを丁寧に納得させようとする、跳ね馬の並々ならぬ慎重さと周到な準備の現れであると言える。

【写真を見る】現地レポート!CEOに聞いたフェラーリ「ルーチェ」投入の意図、そして前衛的なデザインの真意(13枚)

次ページが続きます:
【ジョニー・アイブがもたらした「本来のデザイン」】

2/7 PAGES
3/7 PAGES
4/7 PAGES
5/7 PAGES
6/7 PAGES
7/7 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象