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撤退できないプロジェクト、別れられない相手、あきらめきれない心が判断を狂わせる「サンクコスト効果」の落とし穴

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会議に参加する女性
長年の投資、巨費をかけたプロジェクト……あきらめきれない思いが裏目に出る(写真:polkadot/PIXTA)
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かろうじて運航を続けていたものの、2000年に乗客全員が死亡する火災事故が起こり、コンコルド旅客機に対して悪い印象が強くなった。

こうしてついに2003年に運航を停止している。結局、不名誉な結末を迎えたということだ。

執着の心理現象「サンクコスト効果」

経済学では、すでに支払っていて回収できない費用を「サンクコスト(埋没費用)」というのだが、これまで費やした費用が惜しくて、損失になるとわかっているのに投資しつづけることを「サンクコスト効果」という。

行動経済学者のリチャード・セイラーによると、人間はこれまで費やした時間や努力、お金などのサンクコストに執着しすぎることがしばしばあるという。

「このプロジェクトにいくらかけたと思ってるんだ」「捨てたらこれまでの時間と努力がムダになる」「ここまで待ったんだから、もう少しだけ待ってみよう」などと理由をつけて、まちがった道を進みつづけるのだ。

大学入試に落ちて、一浪、二浪、三浪をしたり、公務員試験に5、6回落ちてもあきらめきれず、再試験を受けつづけるのもサンクコスト効果の影響だ。

たとえば、一浪をしたけれど、再び志望校に落ちたとする。そのとき、二浪する代わりに別の大学に進学したら、思いがけず別の道が見つかるかもしれない。

でも、二浪を選んだ場合は、その機会をみずから手放したともいえる。
だから、まちがった選択をしたくなければ、これまでに費やした時間を排除したうえで、現状と客観的な未来の展望を描いてみる必要がある

ところが、行動経済学者のダン・アリエリーと作家のジェフ・クライスラーが『アリエリー教授の「行動経済学」入門──お金篇』(早川書房)で記した内容によると、「あなたは新車を買うことによって何かをあきらめなければなりません、それは何でしょう?」と尋ねると、ほとんどの人は「あきらめざるを得ないもの」について、具体的な答えを出せないという。

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