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オーストラリアに続き、ニュージーランドも海上自衛隊の「もがみ型」護衛艦の能力向上型「新型FFM」に強い関心を示した。ニュージーランド政府は5月7日、海軍の次期フリゲート候補として、日本の新型FFMとイギリスの「31型フリゲート」を検討していると発表した。
ニュージーランド海軍が現在運用するフリゲートはわずか2隻。一見すると、この更新計画は日本にとって大した案件には見えないかもしれない。しかし、その意味は決して小さくない。
もしオーストラリア海軍に続き、ニュージーランド海軍も新型FFMを採用すれば、日本の護衛艦が日本・オーストラリア・ニュージーランド3カ国海軍を結ぶ共通基盤となり、インド太平洋の安全保障協力の構図そのものを変える可能性がある。
現時点では日本が一歩リード
結論から言うと、現時点では、新型FFMが一歩リードしていると見るのが自然だ。ニュージーランド政府は今回、「オーストラリアが選定した日本のもがみ型」と「イギリスの31型」を並べて示し「相互運用性」と「効率性」を強調した。小規模海軍であるニュージーランドにとって、オーストラリアと同じ艦を運用できる意味は極めて大きい。
日本政府も期待を隠さない。日本政府は、この案件を単なる防衛装備輸出とは見ていない。木原稔官房長官は5月11日の記者会見で、「仮にニュージーランドが『もがみ』型を選定すれば、オーストラリア海軍を含む3カ国間の相互運用性や相互補完性の向上につながり、インド太平洋地域における抑止力強化の観点から有益だ」と強調した。
さらに小泉進次郎防衛相も翌12日の会見で、オーストラリアによる新型FFMの選定やフィリピンへのあぶくま型護衛艦の輸出協議、さらにニュージーランドの新型FFM採用の可能性に触れたうえで、「こうした姿が広がれば、『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』を防衛面から具現化した新たな地域協力の形になる」と強調した。
そのうえで、防衛装備移転は「日本にとって望ましい安全保障環境を創出するための政策ツールだ」と述べ、防衛装備の輸出拡大に期待感を示した。背景には、中国海軍の活動拡大による安全保障環境の変化がある。
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【ニュージーランドの重要性】
