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「オーストラリアと同じ」が決め手?ニュージーランド次期フリゲートで日英が受注競争、装備品輸出の地盤固めとなるか

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海自のもがみ型護衛艦。ニュージーランドはこの能力向上型の新型FFMを検討している。(写真:海上自衛隊ホームページ)
  • 高橋 浩祐 米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
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戦闘能力も高い。オーストラリア仕様では、アメリカ製Mk41垂直発射システム(VLS)を32セル搭載し、ESSM Block2による艦隊防空能力を持つ。対艦ミサイルにはノルウェー製NSM(海軍打撃ミサイル)を採用予定だ。

対潜戦では多機能ソナーとMk54軽魚雷を装備。さらに、機雷戦能力を設計段階から統合している点も特徴で、後付け方式の艦艇より即応性が高いとされる。

無人機対応も進んでいる。海自の新型FFMには、米シールドAIの艦載無人航空機「V-BAT」が有力視されるほか、無人水中機(UUV)「OZZ-5」の運用にも対応する。

推進方式はCODAG(ガスタービン・ディーゼル複合)で、最高速力は30ノット超。広大な太平洋での長距離展開にも対応可能だ。

イギリスの31型フリゲートの強み

対抗馬となるのが、英バブコック社の「アローヘッド140」をベースとするイギリス海軍の31型フリゲートだ。31型は、輸出市場を強く意識して設計された艦艇であり、「価格の手頃さ」と「柔軟性」が最大の売りとされる。イギリス海軍では27年の就役を目指しており、すでにポーランドやインドネシアへの設計ライセンス供与という形で輸出実績も持つ。

基準排水量は約5700トン、満載排水量は約7000トンと、新型FFMを上回る。防空用としてシー・セプター(CAMM)用発射装置を備え、将来的なMk41 VLS搭載構想も進められている。対艦ミサイルについては、オーストラリア向け新型FFMと同様にNSM搭載が想定されている。

最大の特徴はモジュール設計にある。顧客国の要求に応じて、後から対潜能力や機雷戦能力を追加できるため、予算に応じた段階的能力向上が可能だ。

また、ニュージーランドにとって英国との関係も軽視できない。ニュージーランドはイギリスと「ファイブ・アイズ」の情報共有同盟を構成しており、イギリス海軍との共同運用経験も豊富だ。さらに、バブコックの世界規模の保守支援網も安心材料となる。

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【価格はイギリスのほうが安いが…】

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