世界は混沌としている。いまだイランの問題は解決に至っていない。2026年3月にはイラン対アメリカ・イスラエルの戦争という第1ステージをすでに超え、石油資源の争奪問題という第2ステージへと進んだ。
26年4月には第3のステージ、すなわちペトロダラー(ドル基軸体制)の危機、戦後経済体制の崩壊へと進みつつある。次の第4のステージは、国際通貨であるアメリカドルを守るための、G7(主要7カ国)と中国やロシア、インドなどで構成するBRICSとの世界大戦になるかもしれない。
歴史上、最悪のパターンの到来?
そのような中、トランプ大統領が中国を訪問、習近平国家主席と会談した。覇権を争う両巨頭の会談がどうなるかは見ものであるが、これから起こる出来事を左右する重要な会談であることは間違いない。
2つの強国の覇権争いが、戦争という手段を通らず、簡単に終わることがないというのがつねであるとすると、最悪のパターンが近づいているのかもしれない。もちろん、これまでの覇権争いがつねに新旧覇権国同士の戦争という形態をとったわけではないことも確かである。
しかし、新旧覇権国同士が戦争に至らなくとも、旧覇権国が戦争に巻き込まれることでその覇権を失い、次の覇権国に王座を渡していく場合もある。
歴史的に見て、資本主義の勃興期におけるオランダの覇権が、イギリスの覇権にとって代わられたケースがそうかもしれない。オランダは1581年にスペインの統治権からの離脱を宣言、そして1609年には一時的な解放を勝ち取った。1648年のヴェストファーレン条約でスペインから正式に独立すると飛躍的に成長し、その貿易の力によってヨーロッパの覇権国にのし上がった。
しかし、そのオランダは17世紀に栄華を誇ったが、次第に力を失い、17世紀末にはイギリスへと覇権を奪われた。
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【オランダ、フランスの例】
