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イギリスからアメリカ、そして中国へ―覇権交代の歴史が示す世界の未来は?世界戦争の勃発、思想の崩壊の可能性も

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2026年5月15日、北京の中南海で習近平国家主席と会談するアメリカのトランプ大統領(写真:China Pool/Getty Images)
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アメリカがイギリスから覇権を奪いとった理由は、金融ではなくその工業力の発展にあった。資本主義社会の発展の原因は、工業力にある。イギリス、ドイツ、そしてアメリカ、工業力こそ資本主義発展の動力である。新しい技術の開発と新製品の生産は、世界市場を席巻し、巨大な利潤を生み出す。

今でこそ見られなくなったが、メイド・イン・アメリカの製品は、戦後世界中に広くいきわたっていた。自動車、電気製品、機械などあらゆるアメリカの生産物が世界の人々の垂涎の的であったことは間違いない。それはアメリカの映画やテレビドラマによって演出される広告によって世界の人々の消費願望を駆り立て、アメリカ・アズ・ナンバーワンを生み出していたのである。

アメリカ・アズ・ナンバーワンの衰退

しかし、今、身の回りを見回して、アメリカ製のものを見ることがめっきり少なくなった。アメリカ製は、日本製に代わり、やがて韓国、台湾、中国製に代わっていった。たとえ日本製でも、内部のパーツを見れば、やはりこの3カ国の製造品である場合が多い。

確かにアメリカはまだ基本ソフトをかなり多く持っている。しかし、製品製造レベルで考えると、それはアジアにシフトし続けている。とりわけ中国が世界の工業力に占める割合の大きさ、実に30パーセント以上であることを見れば、これは一目瞭然である。

その動力源である工業部門から離れ、金融・サービスだけに特化することで、一国の経済が覇権をとることなど不可能である。最も利潤率が高いものが工業だからだ。金融は、その利潤を利子や配当として上前をはねるだけであり、工業の発展に依存していることに変わりない。

しかも覇権を握るうえで重要な軍事産業においても、工業的覇権を握っていない国は1歩も2歩も技術的に遅れる。アメリカ軍が中国製のパーツを使うようになったら、アメリカ軍の覇権は終わるのである。

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【覇権の交代が意味するもの】

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