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イギリスからアメリカ、そして中国へ―覇権交代の歴史が示す世界の未来は?世界戦争の勃発、思想の崩壊の可能性も

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2026年5月15日、北京の中南海で習近平国家主席と会談するアメリカのトランプ大統領(写真:China Pool/Getty Images)
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アメリカとヨーロッパは、IMF(国際通貨基金)体制に基礎づけられた国際通貨ドルによる決済制度を使ってロシアやイラン、中国に経済制裁を行ってきた。しかし、これが逆効果であったことは、今では明らかである。

ロシア、イラン、中国、そしてたびたび経済制裁を受ける非西欧諸国は、この制度から抜けるべく新たなシステム、非西欧市場とドルによらない新しいシステムを模索したのだ。

それは、ナポレオンの封鎖令によってヨーロッパから締め出されたイギリスがアメリカ大陸、ロシア、インドなどの地域を巻き込む形で新しい市場と貿易システムを構築したこととよく似ている。そこではフランではなく、ポンドが勝利したのである(国際通貨は依然、金であったが)。

イギリスによる世界支配

1815年にナポレオンに勝利したイギリスは、ヨーロッパ大陸の経済を支配する。ロンドンのロスチャイルドを中心とした金融システム、強力な海軍力を背景にした軍事力や政治力によって、ヨーロッパはおろか非西欧諸国まで網羅する大帝国が形成される。世界の工場、世界金融の中心地となったイギリスの覇権は、19世紀を通じて揺らぐことはなかった。

イタリアの経済学者ジョバンニ・アリギに、『長い20世紀――資本、権力、そして現代の系譜』(土佐弘之監訳、作品社、2009年)という書物がある。この書物は、覇権国の衰退の歴史を書いたものだが、序文で3つの段階を分析するとしている。

〈(1)「古い」イギリス体制の構造が崩壊し、「新しい」アメリカ体制の構造が創設された金融拡大期(19世紀末から20世紀初頭)、(2)「新しい」アメリカ体制の優位が貿易と生産の世界的拡大へとつながった生産拡大期(1950年代から1960年代)、(3)いまや「古い」アメリカ体制の構造が崩壊しつつあり、「新しい」体制の構造が作られつつあると思われる、現在の金融拡大期」(前掲書、20ページ)〉

このタイトルの「長い20世紀」の意味は、イギリスがアメリカに覇権を奪い取られ、没落していく過程、そしてそのアメリカも次の「新しい体制」に覇権を奪い取られていく過程である。

その重要な没落の兆候は、「金融拡大」として出現するとされている。確かに、現在の先進国のGDP(国内総生産)の内訳を見ると、金融・サービス部門の比重が高いことがわかる。これは経済が工業から離れ、金融やサービスといった高度化の時代に入ったことを意味していると同時に、資本主義の没落の兆候を示しているともいえる。

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【アメリカの勃興と衰退】

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