日本は近年、オーストラリアだけでなくニュージーランドとの防衛協力も急速に深化させている。2024年6月には、同国のクリストファー・ラクソン首相が海自横須賀基地を訪問し、当時の鬼木誠防衛副大臣とともに、もがみ型護衛艦2番艦「くまの」を視察した。
25年10月には、ニュージーランド海軍のガーリン・ゴールディング司令官が来日し、日本側に新型FFMへの関心を伝達した。さらに、同年12月には、自衛隊とニュージーランド軍の間で燃料や弾薬などを融通し合う「物品役務相互提供協定(ACSA)」や機密情報を共有するための情報保護協定も締結された。
そして26年4月には、小泉防衛相とニュージーランドのクリス・ペンク国防相による初のテレビ会談も行われた。両氏は、インド太平洋地域の安全保障環境を踏まえ、防衛協力をさらに強化することで一致した。
なぜニュージーランドにとって重要なのか
ニュージーランド海軍が現在運用するフリゲートは、アンザック級の「テ・カハ」と「テ・マナ」の2隻だけだ。両艦は97年と99年に就役しており、2030年代半ばには設計寿命を迎える見通しとなっている。
ニュージーランド政府は2025年国防能力計画で、後継フリゲート導入を29〜39年の重点投資案件に位置付けた。
ここで重要なのが、「アンザック(ANZAC)」という言葉の意味だ。アンザックとは、第1次世界大戦時のオーストラリア・ニュージーランド連合軍団に由来し、両国の安全保障協力の象徴でもある。現行のアンザック級フリゲート自体、オーストラリアとニュージーランドが共通設計を採用して導入した艦であり、部品共通化や整備協力、訓練効率化など多くのメリットを生み出してきた。
そのため、オーストラリアが採用した日本の新型FFMにニュージーランドが関心を示すのは、ある意味で自然な流れとも言える。
実際、ペンク国防相は5月7日の声明で、「オーストラリアが選定した日本のもがみ型フリゲート」に先に言及し、「相互運用性」と「効率性」を強調した。
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【「もがみ型」の強みとは?】
