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「はなまるうどん」が名古屋の名店ときしめんで全国へ挑戦…なぜ"ご当地麺"はこれまで広がらなかったのか

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はなまるの代表取締役社長、前田良博さん(左)と、「星が丘製麺所」を運営するKITTの代表取締役社長、衣笠太門さん(右)
「はなまるうどん」を運営する、はなまるの代表取締役社長、前田良博さん(左)と、「星が丘製麺所」を運営するKITTの代表取締役社長、衣笠太門さん(右)。今年4月、名古屋市中区新栄町にオープンした「きしめんズズズ」栄トリッドスクエア店にて(写真:筆者撮影)
  • 永谷 正樹 フードライター、フォトグラファー

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名古屋名物として知られる「きしめん」。しかし讃岐うどんや稲庭うどんのように、全国どこでも食べられる麺かと言えば、答えは「ノー」だ。なぜ、これほど名の知れた郷土麺が、地元の外に広がっていないのか。

その問いに正面から向き合う動きが、いま名古屋で起きている。地元できしめん専門店「星が丘製麺所」を運営するKITTと、全国に約420店舗を展開する讃岐うどんチェーン「はなまるうどん」が資本提携。新ブランド「きしめんズズズ」を立ち上げ、全国展開を視野に入れた挑戦を始めたのだ。

讃岐うどんは全国へ、きしめんは名古屋に留まった

一般的に、ローカルで根付いた食文化をそのままの形で全国に広げることは難しい。きしめんも、ムロアジやサバ節を使った出汁や、たまり醤油(赤つゆ)と白醤油(白つゆ)を使い分けるつゆ、一昼夜寝かせることで生まれるもっちりとした麺など、名古屋特有の麺文化が色濃く残る。そのため、効率や標準化を前提とするチェーンビジネスとは、本来相性がよいとは言いがたい。

もっとも、それは商品として成立しないという意味ではない。むしろ逆で、きしめんには多少の簡略化を施しても成立するだけの強さがある。例えば、名古屋駅のホームにあるきしめん店。出汁こそ本格だが赤つゆのみで、麺は冷凍。それでも観光客の行列は絶えず、「名古屋でいちばん旨い」と太鼓判を押す地元客も少なくない。

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【うどんより手間がかかる「きしめん」の工程】

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