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今回、ババダ大学の教授が、「不快さ」や「不便さ」が私たちの健康を向上させ、人生を豊かなものにすると説く『快適さの罠:私たちの祖先が経験した「不快さ」が人生を充実させる』より、一部抜粋・編集のうえ、お届けする。
人間は退化しつつある
「あまりに多くの人が、運動となると無限の有酸素能力や筋力を追い求めます」と、理学療法博士であり、複数のプロスポーツチームのコンサルタントを務めるケリー・スターレットは私に言った。
「人には、自由に動ける身体の能力が同じくらい必要なんです。多くの人は、何カ月も関節を本来の可動域いっぱいに動かしていません。人間は退化しつつあるんです」
平均的なアメリカのオフィスワーカーの1日を思い浮かべてみよう。朝は、ふかふかで腰の高さほどあるマットレスで目を覚まし、そのまま足を床に下ろすだけで起き上がる。
家のなかを少しだけ動いたら、通勤のために車のシートへ移る。職場に着けばオフィスチェアに腰を下ろす。そこには無数のダイヤルやスイッチがついていて、恍惚とするほどの快適さを提供してくれる。
座ってばかりの仕事を終えると、また車のシートに座る。家に帰れば夕食のためにテーブルにつき、食後はソファに座ってテレビを観る。そして最後はベッドで横になる。
これを退職するまで繰り返すのだ。



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