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従業員3人の町工場から「世界5強」に挑んだ!→「資料も師匠ない」逆境から《日本唯一のシンバル》をつくった76歳社長の執念

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日本で唯一シンバルを製造する町工場(写真:筆者撮影)
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大阪市平野区、従業員わずか3人の「小出製作所」。日本で唯一、シンバルを製造する町工場だ。シンバルの世界市場は、アメリカ、カナダ、スイス、ドイツ、トルコの大手5社が9割を占める。40年前に製造していた過去を持つ小出製作所の2代目 小出俊雄社長は、1999年に再挑戦を決意。工場の床を埋めた失敗作の山から、「シンバルづくりの神髄」を掴むまでの26年を追った。
76歳の今も自らシンバルづくりを続ける小出俊雄社長(写真:筆者撮影)

700度に焼けた青銅板を投げ入れる

燃え盛る加熱炉から、真っ赤に焼けた円形の青銅板を取り出す。手元は手袋1枚だ。金バサミを使っているとはいえ、炉の温度は700度。熱いのではないか――そう考えている間も職人は赤々とした青銅板をプレス機に置き、ガチャンと挟む。出てくると中央がポコっと盛り上がっていた。「カップ」と呼ばれるシンバル中央部分が成形されたのだ。それを再び燃え盛る炉に戻し、約3分後に取り出して水場へ――シュッと投げ入れた。

ジュッ。白い蒸気が一気に立ちのぼり、血にも似た金属臭が熱気と共に漂う。

1メートル離れていても、顔にバーナーを近づけられているような暑さに汗がつたった。

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【「ないなら、つくってみませんか」】

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