アドビが《生成AI》をクリエイターの"パートナー"と位置づける背景。「Adobe MAX 2025」で示した"新しいクリエイティブの枠組み"とは?
クリエイターツールの巨人・Adobe(アドビ)が生成AIの時代に描く未来は、AIを「ツールを使いこなせる道具」ではなく、クリエイターとAIが対話しながらクリエイションを行う、まったく新しいクリエイティブワークの姿のようだ。
10月28日から開催されたクリエイター向けカンファレンス「Adobe MAX 2025」では、彼らが提供するPhotoshopやPremiere Pro、Illustratorなどのさまざまなツール、およびAdobe Fireflyなどの生成AIアプリケーション群に多数の機能追加があった。
アドビ株が業績好調でも“評価薄”のワケ
実は、2024年のアドビは業績が堅調だったのにもかかわらず、株価が大きく下落していた。ウォール街のアナリストたちが下した診断は、端的に言えば「生成AIの時代にアドビは取り残される」というものだった。
画像生成AI技術が急速に発展したことが原因だと思うかもしれないが、そうとも言い切れない。生成AIの進化と普及により、プロ向けツールの使い方を習得することなく簡単にクリエイティブな画像を生み出せる時代が到来しているが、プロのクリエイターたちは、これらのツールで生成した画像を「素材」として使い、最終的な仕上げは依然としてPhotoshopで行っているからだ。
生成AIはあくまで創作の入り口を増やしたに過ぎず、完成品を作り上げるには、アドビの精緻な編集機能が今も必要とされている。
では、なぜアドビは評価されないのか?
背景には、オーストラリア発のウェブベースのデザインツールCanva(キャンバ)の成長がある。


















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