中国資源大手、ブラジルの「ニッケル鉱山」を買収 五鉱集団、南米での権益多元化へ戦略的布石

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五鉱集団はアングロ・アメリカンがブラジルで展開するニッケル事業を丸ごと買収する。写真は現地のニッケル製錬所(アングロ・アメリカンのウェブサイトより)

中国の国有資源大手の五鉱集団は、南アメリカのブラジルでニッケルの採掘・精錬事業に参入する。

同社の上場子会社の五鉱資源が2月18日、イギリス資源大手のアングロ・アメリカンの傘下にあるニッケル生産企業の全株式を最大5億ドル(約759億円)で買収すると発表した。五鉱資源とアングロ・アメリカンは、2025年7〜9月期に取引を完了させる計画だ。

「この投資を通じて、わが社の事業はより多元化し、南アメリカ地域への戦略的な布石がさらに強固なものになる」。五鉱資源の行政総裁(社長に相当)を務める曹亮氏は、声明の中でそう述べた。

買い手と売り手の思惑一致

五鉱資源がブラジルの鉱山権益を取得するのはこれが初めてだ。ブラジル以外の南アメリカでは、ペルーの大規模銅山であるラスバンバス鉱山の採掘権を2014年に(中国の国有投資会社などと共同で)総額58億5000万ドル(約8884億円)で買収し、収益源に育てた実績を持つ。

アメリカ地質調査所のデータによれば、ブラジルはインドネシア、オーストラリアに次ぐ世界第3位のニッケル資源を擁し、金属換算の推定埋蔵量は1600万トンに上る。

今回の取引について、資源業界の関係者の多くは「買い手と売り手の双方にメリットがある」と評価する。事業の多元化と国際化を進める五鉱資源と、選択と集中を望むアングロ・アメリカンの思惑が一致した格好だ。

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