中国アリババ、「国内ECとクラウド」が低迷を脱出 10~12月期の売上高、純利益が市場予想上回る

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2024年10~12月期の好決算を受け、アリババの株価は急騰した(写真は同社ウェブサイトより)

中国のEC(電子商取引)最大手、阿里巴巴集団(アリババグループ)の業績が復調を見せている。同社が2月20日に発表した2024年10~12月期決算は、売上高が2801億5400万元(約5兆7838億円)と前年同期比8%の増収を記録。アナリストの事前予想の平均値(2773億7400万元=約5兆7264億円)を上回った。

ストックオプションや投資損益などを控除・調整した非アメリカ会計基準(非GAAP)ベースの純利益は、10~12月期は510億6600万元(約1兆543億円)と前年同期比6%増加した。アナリスト予想(455億3200万元=約9400億円)を上回ると同時に、2024年1~3月期から3四半期続いた減益の流れを断ち切った。

10~12月期の決算発表後、アメリカのニューヨーク証券取引所に上場するアリババのADS(米国預託証券)は急騰。2月20日の終値は135.97ドル(約2万402円)と、前日比8.1%上昇した。

海外EC事業は損失拡大

事業分野別の業績を見ると、総売上高の4割超を稼ぐ中国国内向けEC事業部門の「淘宝天猫(タオバオ・Tモール)コマース・グループ」は10~12月期に1360億9100万元(約2兆8096億円)を売り上げ、前年同期比5%の増収を確保した。調整後EBITA(利払い・税引き・一部償却前利益)は610億8300万元(約1兆2611億円)と、同2%の増益に転じた。

アリババの説明によれば、増収の要因は主にECモールの(加盟店が支払う)サービス料や手数料の売り上げが増加したことだ。その一方、エンドユーザーの買い物体験を改善するための投資を積み増したことにより、利益の伸びが相対的に抑えられたという。

中国国外のEC事業を統括する「アリババ・インターナショナル・デジタル・コマース・グループ(AIDC)」は、10~12月期の売上高が377億5600万元(約7795億円)と前年同期比32%増加。アリババの主要事業グループの中で最大の成長を示した。だが、調整後EBITAは49億5200万元(約1022億円)の赤字を計上し、損失額が前年同期(31億4600万元=約649億円の赤字)より大きく膨らんだ。

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