中国資源大手、ブラジルの「ニッケル鉱山」を買収 五鉱集団、南米での権益多元化へ戦略的布石

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ニッケルはEV(電気自動車)や蓄電装置などに組み込まれる電池の主原料の1つであり、世界的な「脱炭素」の流れを受けて息の長い需要増加が見込まれている。五鉱資源は、この需要を取り込むことが自社の長期的な成長戦略に合致すると判断し、今回の投資に踏み切った。

五鉱集団は脱炭素関連の需要拡大が見込まれる金属資源に積極投資している。写真は同社が2014年に買収したペルーのラスバンバス銅山(五鉱資源のウェブサイトより)

アングロ・アメリカンから買収するニッケル生産企業の社名は「ブラジル・ニッケル」。五鉱資源によれば、同社はブラジルに金属換算で約520万トンのニッケルの採掘権益を持つ。現在は金属換算で年間約4万トンのニッケルを生産しており、事業採算性の高さは世界トップクラスだという。

短期的には供給過剰

ブラジル・ニッケルの主要資産は、ブラジル中央部のゴイアス州で操業中の2カ所のニッケル鉱山と2カ所のフェロニッケル(ニッケル鉄合金)の精錬所だ。さらに新規開発中の鉱山が2カ所あり、今後の成長余地は大きい。

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とはいえ、世界のニッケル市場は短期的には供給過剰の局面にある。世界最大のニッケル資源国であるインドネシアで、中国資本が大規模な鉱山開発を進めたためだ。

アメリカ地質調査所のデータによれば、インドネシアの2023年のニッケル生産量は金属換算で180万トンに達し、世界全体の半分を占めた。ニッケルの国際価格は供給過剰を背景に下落しており、2025年2月時点では1年前より約4割安い1トン当たり1万5000ドル(約228万円)台で推移している。

(財新記者:羅国平)
※原文の配信は2月19日

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