「人類より豚にふさわしい」と言われた嗜好品 教養として知りたい「カカオの知られざる歴史」
チョコレートの原材料「カカオ」の歴史はとても古く、なんと5300年もの歴史があります。ただ、今日のようにチョコレートとして楽しまれるまでは、貨幣に使われたり、「豚にふさわしい」と批評されたり……と、至難の歴史がありました。
そこで、本稿ではカカオの歴史秘話を遡っていきたいと思います(本記事は、市川歩美氏著『味わい深くてためになる 教養としてのチョコレート』から一部抜粋・再構成してお届けします)。
カカオの歴史を書き換える大発見
カカオ5300年の歴史――。ここまで長い歴史があることがわかったのは2018年と、つい最近のことです。それまでは、カカオと人類の関わりは4000年ほどだとされていました。
そして、人類がカカオを味わいはじめたのは、メソアメリカ(メキシコの一部、ホンジュラス、ベリーズ、グアテマラ周辺)だった、といわれていたのです。
しかし、その定説を覆す大発見がありました。
2018年に、カナダとアメリカの専門家を中心とする研究チームが、エクアドル南東部のサンタ・アナ・ラ・フロリダ遺跡で、紀元前3300年頃に作られた、カカオが入った飲み物用の器を発見したのです。これによって、カカオと人類の歴史は、およそ1300年も長くなりました。
しかも新たに、カカオのルーツは中米ではなく南米だったことがわかりました。歴史が書き換えられたのです。
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