「うつ病で休職」回復に効果的な"心の休ませ方" 働けないことへの劣等感や罪悪感を遠ざける

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
うつ病からの回復には、肯定的な体験の積み重ねが効果的だという(写真:polkadot/PIXTA)
けっして「どうしようもない人間」の病気ではなく、むしろ「人格者の病」である――。依然として社会からの誤解にさらされることの多い「うつ病」について、精神科医の広岡清伸氏はこう語ります。これまで1万人を診察してきた経験をもとに広岡氏が提唱する、「心の病を根っこから治す」ために必要な「平常心」の育み方とは。
*本稿は広岡氏の著書『心の病になった人とその家族が最初に読む本』から一部を抜粋・編集してお届けします。

うつ病は「どうしようもない人間」の病気ではない

私は、患者さんに、「うつ病は人格者の病です」と伝えることがよくあります。なぜなら、うつ病は、社会に適応して生きてこられた人が、あるとき、不当な要求に応えようとして応えられず発症してしまうことが多いからです。

うつ病の患者さんは、「自分のことしか考えない人間だ」「どうしようもない人間だ」と思われることもあるようですが、私の印象は正反対です。発症したからそう見えるだけで、もともとは人のために献身的に振る舞える人です。

私は、うつ病になりやすい人は社会性があって、順応しようとする人たちだと考えています。ちょっと心配性で、ちょっと気が弱い人なら、なおのこと社会に順応しようとするでしょう。それで成功している人たちです。だからいい高校を出て、大学を出て、一流企業に勤められているのです。

次ページ周囲からのあくなき要求に応えつづけ…
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、激動の時代に「物語」が果たす役割
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT