変人だらけの"伸びる"会社は、こう作る!

「1+1=2」を、経営が社員に保証せよ

長年JTの採用・人事担当として、社内に「変人」をせっせと増やしてきた米田靖之氏
「起業」という言葉は、起業家のためだけにあるものではない。「業(なりわい=仕事)を起こすこと」は、組織の中でもできる。いやそれどころか、新しいビジネスを生み出さなければならない組織人にこそ必要とされるアクションだろう。
さあ立ち上がれ組織人。今、あなたの立場で、業は起こせる。それも、上手にやれば大規模に。本連載では、会社をはじめとする「大組織」で、“変わり者”だと思われても“変えること”に挑み、新たな仕事をつくり出す「組織内変人」を紹介する。

 

これまで「変人列伝」では、組織の中にいながら既存のルールに縛られることなく、独自の発想と行動で仕事のやり方を変えている変人たちを紹介してきた。しかし、このあたりで1つの疑問が生まれた。これだけ変人が活躍しているなら、変人を求める組織が存在するのではないか……。

著者がリサーチを始めてまもなく、意外な組織の名前が耳に入ってきた。一瞬耳を疑ったが、どうやらその組織は真剣に変人のタマゴを発掘し、孵化させ、育てることに注力しているらしい。

そこで今日は少し趣向を変え、組織側に立ち、変人を採用し、変人が生まれやすい組織風土をつくることに取り組んでいる人物を紹介しよう。

“優秀”よりも“変な人”

1999年にRJRインターナショナル社、2007年に英ギャラハー社を買収。「日本企業の海外M&Aはなかなかうまくいかない」と言われるのもどこ吹く風、続けざまにM&Aに果敢に挑んできたのは、ご存知、日本たばこ産業(JT)だ。

そうした偉業の裏で、長年人事担当者として、一風変わった人材の採用と育成に心血を注いできた役員がいる。その人物の名は、米田靖之。

「JTで“優秀”と言われているうちは、まだまだです。“変な人”だと言われるようになったら一人前ですね」。むむ。早速の変人ぶりだ。彼はいかにしてJTの中に変人を育てるようになっていったのだろうか。

工学部の「まじめな学生」だった米田さんは、自分は大学院に進学すると信じて疑わなかった。だが4年生になると、2年後の就職活動に備えた予行演習をしておくのも悪くないと思い始める。たまたま下宿に届いた会社案内ハガキを眺め、「そういえば、まだ霞が関に行ったことがないな」というノリで、当時の日本専売公社(現JT)を訪問する。

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