「5浪京大」彼女の合格導いた"80歳恩師"との別れ 予備校を転々としていた彼女、恩師の教えとは

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「現役のときの成績では、学校の先生にも(京大は)ちょっときびしいと面談で言われたのですが、やってやろうと思って受験しました」と語る彼女でしたが、結局この年のセンター試験は「現代文でパニックになり、ほかの科目でもすごく気持ちを引きずった」ために得点率は72%で終わりました。京大法学部を受けたものの、合格最低点から100点以上足りずに落ちてしまい、浪人が確定したのです。

すでに現役のときから浪人を覚悟していたにこにこさん。決断の理由を尋ねたところ「バカにした人を見返してやりたかったから」と意外な理由が返ってきました。

「自分が中学受験で第1志望・第2志望に落ちたとき、一緒に受験した友達や塾の先生たちに『やっぱりな』と見下されたような気がしたんです。

だから、当時の悔しさを挽回するには東大か京大しかないと思っていて……。関西(の人間)でしたし、京大のほうが面白そうだなと思って志望しました。推薦で受けた某外国語大学には合格したのですが、第1志望以外考えられなかった私にとって、そこ(京大)に行かなければ生きている意味がないと本気で思っていたんです」

大阪大学に進学したものの…

そう決めて駿台大阪南校に入った彼女は、京大文系コースに通い、9時から17時まで授業を受け、帰宅してからその日の復習と次の日の予習をする1年を過ごします。それでも成績は、なかなか上がらなかったそうです。

「模試の英語の偏差値は70ほどありましたが、数学は偏差値55のままで、現役からほぼ変わりませんでした。この年も前期は京大法学部を受けるつもりでしたが、予備校のチューターさんに『受かるところに出願したほうがいい』と説得されたことと、来年の成人式で『まだ浪人している』と思われるのが嫌だったため、関西学院大学の法学部と、後期試験で大阪大学の外国語学部を受けました」

この年はセンター試験こそ前年度より大きく上がって80%だったものの、京都大学には歯が立たなかったにこにこさん。それでも、大阪大学と関西学院大学には合格できたので、いったん大阪大学に進学する決意を固めました。

1浪の年齢で大阪大学に進学したにこにこさんでしたが、結局、踏ん切りがつかずに、入学式の3日後にすぐ河合塾の上本町校に通うようになります。

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