教員の給与アップや働き方改革などで、優秀な教育人材を確保するための施策について議論している文部科学大臣の諮問機関、中央教育審議会(中教審)で「質の高い教師の確保特別部会」の第4回会合が2023年9月26日に開催された。

横浜市の取り組み、残業時間減に効果あり

永岡桂子前・文部科学大臣は2023年8月29日、「子供たちのための学校の働き方改革 できることを直ちに、一緒に」という大臣メッセージを発出。改革は国が先頭に立って進めることや、教職員定数の改善や支援スタッフの大胆な配置などを実現するため、これまで以上に教育予算を確保することなどを訴えた。

この日の会議では、前・大臣メッセージを実現するために学校における働き方改革の現状がどうなっているのか、また24(令和6)年度予算概算要求で今後どのように改善していく予定なのかを文部科学省が説明。続いて横浜市教育委員会から、横浜市の教職員の働き方改革の内容が紹介された。

横浜市では働き方改革プランを18年に策定。体育大会を取りやめたり、フレックスタイム制度を導入したり、学級を持たない学年主任をチームマネジャーとして配置して教科分担制を導入したりする独自の取り組みなどを続けた結果、2カ月連続で時間外在校等時間が80時間を超えた教職員数が18年には3995人だったのが22年には2608人に減少、午後7時までに退勤する教職員の割合も69.7%から76.2%に増える(※)など、効果を上げている。

※18年は小学校68.1%、中学校69.0%、特別支援学校87.6%の3校種平均69.7%で、22年は小学校75.8%、中学校73.9%、特別支援学校89.5%、高等学校78.7%の全校種平均で76.2%。

委員からは「教員の働き方改革は保護者の理解を得ることが大切で、難しいことでもあるが、どう伝えているのか」「働き方改革と校長の人事評価は連動しているのか」「働き方改革のゴールは何か」などと質問が出た。

「長時間勤務の改善にはDX」との意見も

さらに会議では横浜市のケースを踏まえ、在校等時間が上限時間を超えている場合に服務監督者である教育委員会や校長が学校の業務の検証や見直しをどのように行うべきか、またフレックスタイム制度の導入でどのように勤務を柔軟化させるべきかについて議論。

委員からは「教員のメンタルヘルスやウェルビーイング確保は行政や校長が取り組むことではあるが、教員自身でも変えられるというオーナーシップを、教員に無理なく持ってもらえるようにする仕組みづくりが重要だ」「長時間勤務の改善はDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を用いて改善すること)を徹底的に推進していくことで効果が出る。これから教員になるZ世代は、紙ベースのままでパソコンを業務に活用できない環境での仕事ではストレスを感じるだろう」などと意見が出た。