文部科学省は、タブレットなどの情報端末を教育現場で十分に活用するなど先進的な取り組みを行っている学校を指定する「リーディングDXスクール事業」で、ChatGPTなど生成AIの学校での活用の実証に取り組むパイロット校を公募している。2023年8月31日まで。23年度の指定校のほか、新規で希望する公立中学校と公立高校が対象で、全国で約20カ所を指定する。

生成AI暫定ガイドライン策定受け募集

リーディングDXスクールは、GIGA端末の標準仕様に含まれている汎用的なソフトウェアとクラウド環境を十全に活用し、児童生徒の情報活用能力の育成を図りつつ、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実や校務DXを行い、全国に好事例を展開する事業。23年度から先進的な取り組みを行っている約200校が指定されており、活用事例を全国の学校と共有する。

文科省は2023年7月4日、生成AIの学校現場での取り扱いについて暫定的なガイドラインを公表。ガイドラインでは「現時点では限定的な活用から始めるのが適切で、十分なリスク対策を立てられる学校でパイロット的に取り組みを進め、成果や課題を検証する必要がある」としている。また「ファクトチェックをする習慣など、AI時代に必要な資質や能力の向上や、それを教える教師のAIリテラシーも高める必要がある」とも言及している。

この趣旨を踏まえ、文科省は生成AIの教育利用と校務利用において知見を蓄積できるパイロット校を募集する。公募対象は、公立の中学校・高校などで、リーディングDXスクール事業指定校と新規希望校を、それぞれ20カ所程度。既存の指定校のうち小学校段階においては、ガイドラインの趣旨を踏まえて、情報モラル教育の観点など限定的な取り組みを希望する場合のみ対象とする。

事業申請書は8月31日午後5時まで

指定された場合の委託上限額は100万円。教育利用と校務利用はいずれか一方でもよい。効果的な取り組み実践を創出する観点から、指定校には学術的知見を有する研究者や優れた実践家、学校DX戦略アドバイザーなどから支援を受けること、実践内容は動画・写真、研修のオンライン公開などにより地域内外に普及させることを求めている。

事業申請書の提出締め切りは23年8月31日午後5時必着。提出は、リーディングDXスクール事業事務局にEメール(LeadingDXSchool_jimukyoku@uchida.co.jp)で。

審査を経て、9月中に指定校の決定通知が行われる。2024年2月末までに実践事例を報告し、同年3月に都内で報告会を行う。

 

調査元:https://www.mext.go.jp/a_menu/other/mext_02412.html

(注記のない写真: metamorworks / PIXTA)