産学官の連携でデジタル人材を育成しICT(情報通信技術)によって地域の課題解決を促進する「デジタル人材育成推進協議会」の第3回会合が2023年9月15日に開かれた。

産学官連携でデジタル人材を社会問題解決につなげる担い手育成を議論

デジタル人材育成推進協議会は「成長分野の国際競争力を支えるデジタル人材の育成」を目的に、文部科学省と経済産業省が主導し、産学官連携でデジタル人材を社会問題の解決につなげる担い手の育成と確保を目指すために2022年度に設立された。

委員は教育界や経済界関係者で構成され、日本私立大学団体連合会会長の田中愛治氏(早稲田大学総長)や国立大学協会理事の西尾章治郎氏(大阪大学総長)、経団連教育・大学改革推進委員会企画部会長の平松浩樹氏(富士通株式会社執行役員EVP CHRO)らが名を連ねている。

会合では、政策動向を踏まえたデジタル人材育成の取り組みについて文科省が説明。大学・高専強化支援事業のハイレベル枠に採用され、国内初のデータサイエンス学部としてトヨタグループのDX中核人材の育成をはじめとする企業との産学官連携を進めて学士・修士・博士を計120人増やした滋賀大学と、半導体人材育成でいわゆる「シリコンアイランド九州」の復活に貢献し同じく学士・修士・博士を計167人増やした熊本大学の実例が紹介された。

さらに、急激なデジタル社会への変化に対応する実戦的な教育を実施するため実務家教員の雇用や確保の方法について、大学への実務家教員派遣の仕組みを構築した北海道デジタル人材育成推進協議会の成功事例と、実務家教員招聘の課題なども紹介された。

 

調査元:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/122/index.html

(注記のない写真:metamorworks / PIXTA)