中央教育審議会(中教審)の初等中等教育分科会と「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会」は2023年9月7日、合同会議を開催。傘下で高等学校教育の在り方について話し合ってきたワーキンググループが9月1日に示した議論の中間まとめなどが報告され、意見交換した。

1人1台端末を活用した学習やデジタル教科書などを検討する特別部会

「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会」は、2022年に設置され「令和の日本型学校教育」構築のためデジタル化に対応した次世代の学校教育について検討。1人1台端末を活用した学習やデジタル教科書のあり方などについて議論している。

この日の会議では、①高等学校教育の在り方ワーキンググループの中間まとめについて、②「令和の日本型学校教育」を推進する地方教育行政の充実に向けた調査研究協力者会議報告書について、③質の高い教師の確保特別部会における提言について、意見交換をした。

①では、中山間地域や離島などでは教員に代えて職員を配置することや、いわゆる不登校特例校の指定を受けなくてもオンデマンド型の通信教育を活用できるよう制度を改正すること、国際的な教育を行う高校を国が整備し、文理横断的な学びを進めることなどが挙げられている。

②では、学校の自主性・自律性を促すため寄付やふるさと納税、クラウドファンディングなどによる外部資金を獲得して取り組むことや、教師が教育活動に専念できるように保護者らによる過剰な苦情に対し教育委員会で支援する体制を構築することなどを掲げている。

③では、教員の労働環境が危機的状況にあるとして「登下校対応」「校内清掃」「休み時間の対応」など14の業務について教員以外への分担を進めるほか、授業や事務作業をサポートする「教員業務支援員」を全小中学校に配置したり、教員の負担を減らす小学校高学年での「教科担任制」実施を前倒ししたりすることなどを緊急提言した。

出典:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/087/siryo/1416449_00024.htm