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「数値化」では世界の本質を理解できない理由 土着人類学で考える社会との折り合いの付け方

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一見、交わらないふたつの世界を行き来することが、世界の健全な理解につながるのかもしれません(写真:サイクロン/PIXTA)
希代の思想家・佐伯啓思氏が、その根本にある西洋近代の限界を縦横無尽に論じ、日本思想の可能性に希望を見いだす『近代の虚妄:現代文明論序説』。
奈良県東吉野村で「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」を運営する『手づくりのアジール 「土着の知」が生まれるところ』著者・青木真兵氏が、「土着人類学」の視点から同書を読み解く。

数値化による理解の限界

ぼくが勝手に提唱する「土着人類学」は学問ではありません。言うなれば思想です(おおげさですけれど)。

『近代の虚妄: 現代文明論序説』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

いわゆる学問は主体と客体、つまり「考える自分」と「考えられている対象」を区別します。特に近代という時代は主体と客体を区別することで、元々は神話や物語によって語られイメージされてきた世界を客観的に把握し、コントロールしようとしてきました。この延長線上にあるのが数字による測定です。世界を数字によって表現することで、ぼくたちはより客観的に理解できるような気になっています。

しかし本来、何にせよ世界を完全に把握することなど不可能です。ではぼくたちは世界を数字で示したとき、何を理解したような気になっているのでしょうか。

ぼくたちが数字によって理解したつもりになっているのは、世界の「量的な側面」です。数値によって表わすことのできる世界は世界それ自体ではなく、「量的な側面」でしかありません。特に近代は「量的な側面」が重視される時代であり、前近代の世界を価値付けていた「質的な側面」が没落していきました。

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【「死んだ世界」「生きた世界」】

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