昨年3月にタイから帰国して以来、1年以上も日本から出られないでいる。海外生活が長かった筆者にとって、こんなことはいつ以来だろうか。この間、改めて日本という国について考えさせられた。
これまで海外の友人からさまざまな日本論を聞かされてきた。おそらく最も多かったのは「日本人は国家権力に従順」という説だ。フランス人の友人のその言葉には皮肉が込められていた。香港や台湾、ミャンマーの友人らの場合、従順な日本人は「与えられた民主主義の価値をわかっていない」との憤りとセットだった。そのように言われて、筆者も「まあそうだな」と納得してきた。
コロナ禍での日本の様子を見て、彼らは「日本人=従順」論を確信していることだろう。日本では自粛要請に従わない一部の人々の行動が問題視されている。とはいえ、どこまで強制力があるかわからない「要請」に大半の人々が従っているのだから。しかし逆に筆者は、海外の友人の多くは間違っていたと感じるようになった。
昨年秋に「Go To トラベル」を使って何度か旅行した。そのことを周囲に話したところ、あちこちでお叱りを受けた。中には「あんな制度を使うのは非国民だよ」とまでののしられることもあった。これは筆者だけかもしれないと周囲に聞いてみたが、似たような体験をした人は少なくなかった。
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