先日、12年間の中国駐在から帰国した友人と歓談した。中国人から見て、日本はたいへんな管理社会に思えるらしいことが話題になった。新型コロナ予防のマスクや手洗いに限らず、交通ルールの順守や一糸乱れぬ通勤電車の乗り降りなどは、中国人からすれば揶揄の対象になるくらい、管理社会の表れに見えるらしい。友人との歓談では妙に納得して笑い合っていたが、後になって日本=管理社会説に疑問を持ち始めた。
コロナ禍でわかったことは、日本は政治や行政が国民の私権を制限する強制力を持っていそうでいて実は持っていないという事実だ。緊急事態宣言でも、まん延防止等重点措置でも、人々の行動をコントロールできていない。
日本政府も自治体も人々を直接管理できないので、事業者や学校などに行政指導を行う。緊急事態宣言といっても外出禁止を命じられない。苦肉の策として飲食店に営業時間短縮を要請し間接的に夜間外出を減らすしかない。
私権制限ができないもどかしさは医療でも感じる。日本は人口当たりの病床数は世界一なのに欧米より少ない感染者数を受け入れきれず、「医療崩壊が近い」との悲鳴が聞かれる。これも患者と民間医療機関の双方を管理できないことに起因する。国が私権を制限する必要性は語られていても、そこまでなかなか踏み込まない。
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