先日、都内一等地の高層ビルにある企業のオフィスを訪れた。ロビーの壁面の巨大ディスプレーには生き生きと働く従業員の動画が流れている。一方、ロビーにも、そこから見えるガラス張りのミーティングスペースにも人影はない。業務スペースには従業員が数人いるが、ずらりと並んだパソコンモニターの黒い画面が静けさを際立たせていた。
都内企業(従業員30人以上)のテレワーク導入率は今年1月後半で57.1%。これら企業の約6割が緊急事態宣言期間中に週3日以上のテレワークを実施していた。26.1%は週5日である。
昨年の最初の緊急事態宣言時には、この先、出社人数の激減によって都心のオフィス需要が消失すると語られていた。実際に出社人数は大きく減少している。だが、オフィスの縮小・撤退にまで踏み込んだ企業はそれほど多くない。
「在宅勤務中心の働き方は一過性。新型コロナウイルス感染症が終息して経済が回復すれば、オフィス需要は再び活発になる」。知り合いの不動産業界の関係者はそう解説する。だから都心のオフィスを急いで解約しないのだ、と。
賃貸オフィスでは、中途解約の際には残期間の賃料、管理費などを一括で支払う契約も珍しくない。出社する従業員が少なくても賃料を払ってオフィスを維持し、しばらく様子を見たほうがいいと考える経営者が多いのだろう。
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