国内旅行最大手JTBが減資を決めた。3月末付で資本金は23億円から1億円となる。飲食のカッパ・クリエイトやチムニー、航空のスカイマーク、毎日新聞社なども資本金を1億円に減資した(実施はまだの会社も)。税制上、中小企業に分類されることで、税負担を軽減する狙いがある。
2015年、経営再建中だったシャープが資本金1億円への減資計画を発表したが、日本中で批判が巻き起こり計画を断念した。今回は有名企業が大手を振って動いており、隔世の感がある。
わが国では政策的に中小企業が優遇されており、とくに税制上はさまざまな優遇措置が設けられている。例えば法人税での欠損金の扱いがそうだ。企業が税務上の赤字(欠損金)を出した場合、翌年度以降に(税務上の)利益と相殺して税負担を軽減できるが、中小企業は相殺できる金額が多い。コロナ禍で大きな赤字を出しているだけにメリットは大きい。
法人事業税でも中小企業に有利な仕組みがある。法人事業税は道路や港湾、消防、警察など各種公共サービスや公共施設の経費に充てられている。事業活動でこれらを利用する対価として企業が支払うという名目だ。
法人事業税は所得に対して課せられるのが基本のため、赤字の場合にゼロとなる。しかし、赤字でも公共サービスを利用している以上は応分の負担が必要。そうした考えから04年に導入されたのが企業規模に応じて決まる外形標準課税だ。資本金1億円以下の中小企業は対象とならない。
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