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コロナとトランプが生んだ「孝行息子」の正体 今頃になって見えてきた美談の裏側

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家貧しくして孝子顕(あらわ)る──逆境時に立派な人が現れるという意味だ。よいことに思えるが、家が富裕であれば孝行息子に頼らずともよい。孝行息子の出現は喜ばしいことばかりではない。

この1年、全世界で新型コロナウイルス感染症が拡大、米国では民主主義が大きく揺らいだ。常ならぬ状態は「孝行息子」を人為的に生み出してしまうものらしい。

米国で感染症が急拡大した昨年、ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏は光り輝いて見えた。パワーポイントを駆使した毎夜の記者会見は情報開示のお手本のようだった。市民からは「不安な日々が続くが、知事の会見を見れば安らかに眠れる」と評価された。時の大統領のコロナ対応が支離滅裂だったから、なおさら州知事が英雄に見えた。

感染リスクを伴う任務に向かう州兵に対して、「無理をするな、もっと救えたはずだ、などと考えないでくれ」とクオモ知事は語った。なんてすばらしい上司だろう、と感銘を受けたものである。

ところが、今頃になって美談の裏側が見えてきた。同州のコロナによる死者数は数千人単位で過少報告されていた。なぜなら「トランプ政権から攻撃されるおそれがあったから」。英雄に祭り上げられた男は、降りるに降りられなくなっていたのだ。

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