米国の新政権が“無事”に船出した。トランプ氏による選挙不正の訴え、連邦議会議事堂襲撃への支持者扇動、大統領就任式への欠席と最後まで「民主主義を揺るがす事態」が続いたが、バイデン新大統領は就任演説で「民主主義の勝利」を宣言した。
確かにトランプ前大統領は「民主主義の危機」を招いたが、彼は不正選挙ではなく民主的な選挙で選ばれた。結果、反トランプの人々は悪夢の4年間を耐え忍ぶしかなかった。大統領の任期が制度上保障されているからだ。
「彼らが自由なのは議員を選挙する間だけのことで、議員が選ばれてしまうと彼らは奴隷となり、何者でもなくなる」と語ったのはフランスの政治思想家ルソーだ。「彼ら」とは当時、代議制を採用していた英国の国民を指す。現在、米国や日本を含めて多くの国々で民主主義といえば代議制による間接民主主義だ。しかし、ルソーに言わせれば、国民自身が直接政策を決める直接民主制こそが本当の民主主義である。
ただ、直接民主制は一般に非現実的とされる。政策決定のたびに投票をするのは莫大なコストがかかるし、国民には政策についての専門性がないとされるからだ。
市民は代議士に劣るのか
本当にそうだろうか。今の時代、ネット投票を整備すれば投票コストは最小化できる。国民に政策の専門知識がないのは事実だとして、代議士が専門知識を基に合理的な判断をできているとは思えない。
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