米国の支援がなければ、アフガニスタンの政権と軍は長くはもたない。ガニ大統領が公式にそう認めたのは昨年1月のことだ。状況は今も変わっていない。アフガン政府は混乱を極め、国軍も反政府勢力タリバンの攻撃に何とか持ちこたえているにすぎない。
だが、米国のトランプ大統領はアフガン紛争の泥沼から足を抜きたがっている。ということは、タリバンとその支援勢力があえて追撃の手を緩めなければならない理由など、どこにもない。アフガンをめぐっては各勢力の利害が入り乱れており、米国とロシアが個別に和平を探ったのでは、永続的な紛争解決は望めないだろう。
アフガンの治安悪化が深刻化している背景には、主に政治的・地政学的な要因がある。2001年に米国が対テロ戦争を開始しタリバン政権が崩壊してから、アフガンではカルザイ政権(01〜14年)に続き、現職のガニ氏を大統領とする挙国一致政権が樹立された。だが、国内をまとめ上げられるほどの指導力は持ちえていない。
アフガンの指導者層は、見かけだけの民主政治を隠れみのに個人的な権勢の拡大に熱を上げ、国益をないがしろにしてきた。つまり、アフガン政府が01年以降、ほぼ完全に米国頼みになってしまったのも当然なのである。
アフガン紛争には今、各国の利害が複雑に絡み合うようになっている。インドとパキスタンの対立、イランとサウジアラビアの対抗意識、パキスタンとサウジの軍事連携、米国とイランの反目、パキスタンと中国の友好関係、インドと中国の国境対立、米国とインドの協調路線、米国とロシアのせめぎ合い。これらのすべてが壁となり、紛争の政治解決を阻んでいる。
米特別代表に不信の目
米国のアフガン和平担当特別代表を務めるハリルザド氏は、昨年9月から和平交渉を重ねてきたが、協議はまったくといっていいほど前進していない。自らネオコン(新保守の強硬派)であると公言してはばからないハリルザド氏は、30年以上にわたってアフガンでの戦争に手を染めてきた人物だ。そのため、ガニ氏を含むアフガンの指導者層はおろか、近隣諸国からも不信感を持たれている。
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