「21世紀型教育」の推進、海外と日本の決定的差 米国の公立校「ハイ・テック・ハイ」の衝撃

※1 Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語で、予測困難な状況を指す
従来型の一斉教育に小4男児がダメ出し
自分らしさを生かして仲間と協働しながら新しい価値を創出する。そんな「クリエーティブリーダー」の育成を目指し、「学習者中心の学び」や、近年米国で注目を浴びる「ホールチャイルド」を育む環境をテーマに教育活動を行う竹村詠美氏。長年、外資系企業で活躍してきたが、なぜビジネスの最前線から教育界に軸足を移したのか。そのきっかけは、プライベートでの出来事にあった。

一般社団法人 FutureEdu 代表理事、一般社団法人 Learn by Creation 代表理事、Peatix.com アドバイザー、総務省情報通信審議会委員、2児の母。慶応義塾大学経済学部卒 。ペンシルベニア大学ウォートンビジネススクール修士卒。ペンシルベニア大学国際ビジネス修士卒 。
マッキンゼー・アンド・カンパニー米国本社や日本のアマゾン、ディズニーなど外資系企業7社を経て、2011年にPeatix.comを共同創業。16年以来、教育ドキュメンタリー映画『Most Likely to Succeed』の上映・対話会の普及をはじめ、学びの未来を考える祭典「Learn by Creation」主催や教員研修など教育活動に取り組む。近著に『新・エリート教育 混沌を生き抜くためにつかみたい力とは?』(日本経済新聞出版)
「5年前、駐在していたシンガポールから帰国しました。当時小学校4年生だった長男も日本の学校に転入したのですが、何だか楽しそうに見えない。子どもと話し合う中で気になったのは、一斉授業がつまらないということ。彼は学び方に疑問を感じていて、算数に理科などを組み合わせれば面白い授業ができるのに、とも言うのです。それはいわゆる教科横断型の授業ですよね。目が覚める思いでした」