新型「ポルシェ911」は何がどう進化したのか

変化しながらも「定番」として人気を保つ理由

エンジンは、先代タイプ991の後期型でカレラ シリーズに初採用された過給ユニット、水平対向6気筒3.0ℓツインターボを引き続き搭載する。しかしながら、これもエンジン内部の改良により燃焼効率が高められ、インタークーラーも搭載位置を変更して高効率化。ターボチャージャーもレイアウトと容量を変更することで、最高出力をプラス30psの450psに、最大トルクをやはりプラス30Nmの530Nmにまで高めている。ちなみに燃費は8.9ℓ/100km(リッター当たり約11.2km)である。

トランスミッションは現時点ではポルシェがPDKと呼ぶデュアルクラッチ2ペダルのみ。従来の7速からギアが1段増えて8速となった。注目は電気モーターを内蔵できる構造とされたこと。つまり将来のハイブリッド化も見据えられている。

もっともエンジニアによれば、近いうちにハイブリッドの911が登場するとはまだ言い切れないとのことだった。出力やバッテリー搭載量等々の、911の名に恥じない最良のバランスを見いだすのは、そう簡単ではないようである。

ウェットモードを初搭載

シャシーの基本形式は踏襲。ホイールベースも変わっていないが、減衰力の可変幅を拡大した新しい電子制御式ダンパー、新開発タイヤ、カレラ4S用の改良されたフルタイム4WDシステム等々を採用し、先代からそのまま引き継がれた部分はほぼないと言っていい。さらにタイプ992では可変エアロダイナミクスを採用し、走行状況に応じて空力性能とエンジン冷却性能を最適にコントロールする。バンパー下側などの開口部がずいぶん大きくなっているが、それもあくまで機能のためだったというわけだ。

ウェット路面の安全性確保はスポーツカーにとって課題の1つだ(写真:ポルシェ ジャパン)

さらにポルシェ ウェットモードも初搭載されている。ホイールハウス内のセンサーで降雨を検知するとドライバーに警告。任意でウェットモードをオンにすると、車両姿勢制御装置のPSM、4WDシステム、可変エアロダイナミクスなどの設定が車両を安定させる方向に切り替えられ、アクセルの反応も穏やかになる。

車重が比較的軽く、太いタイヤを履くスポーツカーにとって、ウェット路面の安定性確保は課題だ。実際、開発責任者のアウグスト・アハライトナー氏は自身が担当した先代タイプ991ではそれが弱点であり、ゆえに今回このウェットモードを設定したのだと話していた。

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