知られざるPTAの上部組織「P連」「日P」の謎 実はあなたも会費を負担している!

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主なところでは、情報共有を目的とした会の開催や、委員会活動などです。

たとえば、年に一度の研修会。会を主催するPTAは、今年はA校、来年はB校といったように、“持ちまわり”で決まっています(市や区、都道府県も同様)。

スポーツ大会など独自のイベントを行うP連もしばしばありますし、PTAの委員会活動のようなものをP連内でやっている場合もあります。

そういった活動を担うのは誰かというと、各学校のPTAの本部役員(主に会長。P連によっては副会長なども)です。本部役員は、各校のPTAの仕事だけでなく、こういった上部団体の仕事まで背負っている場合があるのです。

P連でも参加強制は当たり前

これはやはり、役員の人たちにとっては負担です。しかも、P連もPTAと同様、あるいはそれ以上に参加強制が多いため、役員さんたちからはしばしば、以下のような“うめき声”が聞こえてきます。

「自分の学校のことをやるうえ、P連のことまでやるのはつらい。集まりを休むと嫌味を言われるので、無理をして出席しているが、負担が大きい。P連はいらない、もしくは活動を縮小してほしい。少なくとも“欠席可”にしてほしい」
「連絡会や委員会の集まりが多すぎるうえ、活動報告書まで求められる。せめて“出席必須”はやめてほしいし、活動報告はメールでもOKにしてほしい」
「研修会のホスト(当番校)に当たった年は、本部役員のなり手が例年以上に見つからなかった」
「研修会や講演会など、参加強制(動員)が多い。土日がよく潰れる。各校から何人ずつ参加する、という“割り当て”があり、不満を感じている人は多いが、結局は参加する。表立って文句を言う人がいない」
「球技大会や発表会など、例年どおりの活動ばかり。社会や時代の変化について考える人がいない」
「P連の活動が多すぎて、PTAの活動日程を見直さなければいけないこともあるなど、本末転倒。P連、単Pの活動のほか、地区の運動会やお祭り、周年行事の顔出しなどもあり、会長は本当に休めない」
「飲み会が多い。嫌いではないが、この地区は頻度が高すぎる。おカネもかかるので、連れ合いにしかられて、現在は月1度までに自粛中」
「県Pやブロックの研修会は、交通費は出るものの、大体遠いのでかなり時間をとられる。往復や準備・片付けの時間もあるので、丸1日潰れる」
「長年事務局をやっている職員が、活動にいちいちダメ出しをする。私たちが作った広報誌も全部書き直しさせられた。毎年同様だと聞く」

 

ただでさえ自分の学校のPTA活動に時間を取られているのに、そのうえ上部組織の活動にまで駆り出されるのでは、悲鳴をあげる人がいるのも無理はありません。しかも、存在や活動全般がヴェールに包まれているため、本当にその活動はすべて必要なのか、検証される機会はほぼないのが実情です。

もちろん、役員の人たちの声のなかには、P連に対して肯定的なものもあります。それらも含め、引き続き後編の記事で検証していきます。
 

(この記事の後編は9月18日に公開予定です)

大塚 玲子 ノンフィクションライター

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おおつか れいこ / Reiko Otsuka

主なテーマは「いろんな形の家族」と「PTA(学校と保護者)」。著書は当連載「おとなたちには、わからない。」を元にまとめた『ルポ 定形外家族』(SB新書)のほか、『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』(教育開発研究所)『さよなら、理不尽PTA!』(辰巳出版)『オトナ婚です、わたしたち』(太郎次郎社エディタス)『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(同)など。テレビ、ラジオ出演、講演多数。HP

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