その結果、「何の環境影響もなく風力発電事業の導入が可能であるというエリアをわれわれは議論の中で見出すに至りませんでした」(時﨑宗男環境市民部長)という。そして、時﨑部長は「ゾーニング計画を踏まえて影響の回避ないし低減の策をとって、こういう対策をとるので風車をたてたとしても影響は軽微だよね、というところまで、エビデンス付きで示してください、というのが、我々が求めてきたところです」と強調した。
「科学的根拠不足」と道が指摘、公開質問状への回答に市民団体は納得せず
希少猛禽類が飛ぶエリアに15基もの風車を建ててもOKという事業者側の判断は、鳥の飛翔を検知し、風車の稼働を制御するAI検知システムの導入が主な根拠になっていた。
国の天然記念物であり、環境省レッドリストで絶滅危惧II類、種の保存法により国内希少野生動植物種に指定されているオジロワシへの影響について質問したところ、東急不動産の回答書はこう述べた。
「欧州や国内で導入されている従来のシステムに比べ、飛翔軌跡を追跡して早々に停止する」「風車の半径600mの範囲に鳥が接近した際に停止信号を送ることを想定している。オジロワシは風車に向かって真っすぐに飛んできた場合、45秒で477m接近すると考えられることに基づき設定した。今後、現地の飛翔状況を踏まえて適宜変更する」
停止信号を送ると、風車はピタッと止まるのか、あるいは、「遊転」という慣性で回る状態なのかは、わからなかった。このシステムの導入により、衝突(バードストライク)をどの程度避けられるのかについても聞いたが、回答書にこの点の説明はなかった。
市民団体も公開質問状を出し、東急不動産から回答を得た。石狩湾岸の風力発電を考える石狩市民の会、全国再エネ問題連絡会などによる公開質問状は、「対象種別の検知率、検知距離、停止までの時間、停止後の回避可能性、実効性を裏付ける具体的データ」などを尋ねた。
「翼開長(よくかいちょう、翼を広げた時の長さ)1.3m以上の鳥で検知率82%」との回答があったものの、「システム開発に係る事項となりますため、具体的データはお示しできません」としてそれ以上の説明はなかった。


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