湯河原は『万葉集』にも詠まれた歴史ある温泉地だ。湯河原町の統計によると、2024年の観光客数は約406万人。観光は町を支える主要産業である。
内藤町長と浅沼さんたちは、町で暮らす人だけでなく、訪れる人にも健康的に食事を楽しんでもらおうと、ロカボを町の観光事業として進めることにした。これが、「湯河原ロカボツーリズム」の始まりだ。
2025年度、湯河原町は「美食・健康推進事業」に300万円の予算を計上した。財源には、国の地域未来交付金に加え、川崎競馬の収益から自治体に分配される資金も活用した。
そうして2025年10月、「湯河原ロカボツーリズム」第1期がスタート。勉強会に集まった人を中心に、旅館や飲食店、洋菓子店など12事業者が山田医師の助言を受けながら、それぞれの持ち味を生かしたロカボメニューを考え、提供するようになった。事務局は柴田さんが担った。
血糖値の上がらないクラフトビールが
2026年10月に始まった第2期では、参加事業者が第1期の2倍以上となる28事業者に増えた。新たに加わった店のひとつが、「ビールスタンドかどや」だ。
血糖値を気にし始めたとき、多くの人が最初に諦めるのがビールだろう。
一般的なビールは100mLあたり3グラム前後の糖質を含むため、低糖質とはいいにくい。それでも「ビールで乾杯したい」という声があり、山田医師が湯河原「HUMANSBEER」のクラフトビール4種を持ち帰って調べてみた。すると、糖質を含まないか、極めて少ないことがわかったという。
この話を説明会で聞いた「かどや」の店主、相原幸典さんは、「ちょっと嬉しかったですよ。糖尿病でビールを我慢している人もいますからね」と振り返る。自身もリブレをつけて飲んでみると、数値はほとんど上がらなかった。


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