きっかけは、2024年の夏だった。
町の豆腐店「十二庵」の店主、浅沼宇雄(たかお)さんから声をかけられた。北里大学北里研究所病院の糖尿病専門医と一緒に、ロカボの勉強会を開くという。
「一応、声かけるけどさ。関係ないと思うけどね」と浅沼さんは前置きしたそうだ。砂糖と小麦粉とバター。主原料のうち2つが糖質である洋菓子は、血糖値の取り組みから最も遠い。
ところが大金さんは、意外な反応をした。
「北里の糖尿病の先生って、俺、聞いたことがあると思って。それって山田先生ですか?って聞いたんです」
「えっ! 知ってんの?」と驚く浅沼さんに、「一緒に仕事したことがある」と伝えると、「マジか。じゃあ絶対来いよ」と返ってきたという。
実は大金さんは、2012年頃、当時勤めていた東京の洋菓子店で、糖質を抑えたチョコレートムースを開発したことがあった。山田医師の著書に掲載するために依頼されたものだ。
当時は「ロカボについて聞いたこともなかった」という大金さん。店のシェフから開発を任されたものの、病院食を作るようであまり気が乗らなかった。ところが、人工甘味料で作ってみると「割とすぐにできた」そうだ。
本に載ると、少しずつ注文が入った。そこで初めて、低糖質のスイーツを必要とする人がいることを知り、「悪い仕事じゃなかった」と感じた。
その12年後、東京から離れた地で、山田医師と再会することになったのだ。
「こんなことある?と思いました」
90キロが、1年で74キロになった
再びロカボ商品を開発することになり、大金さん自身も食生活にロカボを取り入れた。すると、90キロあった体重が1年で16キロ減った。
「運動しても、カロリー制限しても痩せなかったのに、今は74キロくらいです」


※ログイン後、コメント入力が可能です。