そこから、農業、飲食、建設、デジタル開発、福祉、国際開発など11の会社と団体に多角展開し、従業員数は約500人にのぼる。2023年には、「環境と社会によい活動」を応援することを目的とした、環境省の「グッドライフアワード・地域コミュニティ部門」を受賞した。
なぜ、「ゴミ処理」と「食」という、一見、シナジーを発揮しにくそうな事業を手がけるのか。牧さんは「目の前のお節介をつなげてきた結果」と説明する。
だがその裏には、地域の生ゴミを肥料に変え、野菜として育て、食卓まで届ける一本の線がある。牧さんは「お節介の循環」と呼ぶこの事業に、20年にわたり投資を続けてきたという。「お節介」と言えば聞こえは柔らかいが、20年という歳月と投資額は、善意だけで背負える重さではない。
約500人を雇用し、11の会社と団体を展開する地方のグループ企業は、この「お節介」をどうやってビジネスとして成り立たせているのか。
イメージはトトロの森。規格外野菜が「お節介野菜」に変わる
真庭あぐりガーデンの広々とした敷地内では、木々の緑が風に揺れる。2階部分からぐるぐると滑り落ちるすべり台に、ゆらゆら揺れる吊り橋。手押しポンプ式の井戸。小川が流れるビオトープ、野菜を育てる菜園、カピバラの「しんぽちゃん」にも触れ合える。
「真庭本店のイメージは、トトロの森です。岡山店は娘の家で、真庭店がおばあちゃんちのイメージです。人口の多い岡山店で『入り口』を体験してもらって、『たまには、おばあちゃんちにも来てねー』という二段構えの設計です」(牧さん)
田舎のおばあちゃんの家に、若い夫婦が孫を連れて遊びに来る。日頃忙しいママは、ゆっくりお茶をする。子どもは外で自然に触れ合って遊ぶ。遊びに来たみんなが仲良く寄り添うイメージだという。
敷地内の販売所「旬の蔵デジーナ」に目を移すと、真庭地域で採れた野菜や特産品、量り売りの商品が並ぶ。壁一面の黒板には白やピンク、緑色のチョークで描かれたぶどうにトウモロコシのイラスト。活気あふれる様子は、まるでマルシェのようだ。


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