「高校生だった私にとって、ミキハウスは『高級な子ども服のブランド』のイメージでした。西武八尾にもショップがあり、店員さんは親切で、ファミリー層でいつもにぎわっていました。でも、自分には場違いな気がして。お店に入るのはちょっと抵抗があったんです」
確かに、ファミリー感満載の店舗に高校生は入りにくいだろう。
これまでたくさんの洋服を購入してきた中で、このシャツを残したのは、服として気に入っているだけでなく、数多くの思い出があるからだという。また、このシャツを含め、結婚や引っ越しを経ても残してきたものは、流行に左右されにくいものが多い。
「保管しておけば、また着る機会があるかもしれないと思ったんです。娘にも着てみたら?と声をかけたんですが、あまり好みじゃなかったのか、着てくれなかったのが少し残念です」
時を重ねても色あせない魅力
ミキハウスは生地もしっかりしており、縫製がとても丁寧だという。母が内職していた頃、社内のチェックは厳しかった。たびたび検品で不合格になる様子を間近で見てきただけに、由紀さんはその品質の高さを当時から実感していた。
母自身、由紀さんが洋服を購入するたびに、裏返してチェックするほど、自分や家族が着るものの品質にはこだわりがあった。ミキハウスの厳しさは、「働く側からすると大変だった」のも確かだが、母にとって、自分が関わったブランドの品質の高さは、誇らしいものだった。
「丁寧な作りで、長く着ても色落ちしないんです。結婚して子どもが生まれて、おさがりで譲り受けたものも、へたることがなくて。母だけでなく私も誇らしかったです」
高校時代にアルバイトをして好きな服を買う喜びに目覚めた由紀さん。大学時代には、服を「買う側」から「売る側」へと立場を変えていく。次回は、大学時代に経験したハウスマヌカンの世界を追う。


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