試合後もそうだ。東京GBの選手は、負けた日も笑顔で場内を回り、手を振る。
「選手は負けたら、敗因や『あのときこうしておけば』と、ベクトルが自分に向くんです。でも、ホームゲームはファンの皆さんと一緒につくるもの。負けても最後は前を向く姿に『また応援しよう』と思っていただける。時間とお金を使って応援してくれた人たちへのベクトルの向け方をフロントに教えてもらって、それはそれ、これはこれと切り替えられるようになりました」(古賀さん)
「10人送り込んどいたんで」自ら人を集めるファンたち
こうしたチームの姿勢に応えるように、ファンが、自ら人を集めるようになった。いまやチームが掲げる動員目標の進み具合を自らSNSなどで更新し、自分が行けない試合には知人を送り込む。久保田さんが会場に顔を出すと、「知人を10人送り込んどいたんで」と直接報告してくれるファンもいるという。
久保田さんはそうした状態を、自分たちが仕掛けたとは考えていない。
「僕らはあくまで集客の目標を掲げているだけです。達成するのは、来てくださる皆さん。僕らが提供できるのは、会話のきっかけになるところまで。そこから先はファンにお任せしているんです」
なぜ、ここまでファンが主体的に動くのか。現役時代にネイチャーラボへチームの引き受けを直談判し、今はチームのフロントに入っている野瀬将平さんは、こう話す。
「ファンも、フロントも、選手も、協力企業の方々も、みんなが『このチームを大きくしたい、バレーボールをもっと知ってほしい』という気持ちを持っている。ドラマの中を一緒に走っているような感覚です」


※ログイン後、コメント入力が可能です。