2作目は『レキアイ! 歴史と愛』(亀、星海社COMICS/講談社)です。
教科書に出てくる歴史上の偉人たちが、どのように人を愛してきたのかを描いた漫画です。4コマ漫画形式で進むので、いろいろな偉人のエピソードを気軽に知ることができます。登場するのは、ゲーテ、ナイチンゲール、ダーウィン、マリー・アントワネット、ベートーヴェン、ゴッホ、クレオパトラ、ナポレオン、エカチェリーナ2世など、教科書でおなじみの人物ばかり。全2巻なので、すぐに読み切れるのもうれしいところです。
歴史を扱った漫画はたくさんありますが、「愛」という切り口で偉人を描いた作品はなかなか見かけません。そして、「愛」を通して偉人を見ると、本当にいろいろなことがわかるのです。
愛といっても、恋人との恋愛だけではありません。親子愛や兄弟愛、友人との友愛など、さまざまな形があります。どんな偉人の人生にも、どこかで必ず「愛」が絡んでいる。それを描いたのがこの漫画です。
例えば、宗教改革を始めたマルティン・ルターのエピソードがあります。正直に言うと、僕は教科書を読んでも「95カ条の論題を出した人」くらいの印象しかなく、彼がどんな人だったのかはわかりませんでした。しかし、この漫画に描かれるルターは、妻に深い愛情を注ぎ、子どもを大切にする人物です。
ルターの妻カタリーナは、もとは修道女でした。ルターの考えに共鳴して修道院を抜け出し、やがて彼と結婚します。16世紀は、女性の意見が軽んじられるのが当たり前の時代でした。それでもルターは妻の力を認め、子どもには教育が必要だと考えていた。教科書の「宗教改革の人」とは違う、人として尊敬できる姿がそこにはありました。
偉人たちの行動の意味が見えてくる
教科書だけで偉人を知ると、僕らはどうしても「自分とはまったく違う、すごい人」としか思えません。
でもこの漫画を読むと、彼ら彼女らの日常や家族とのやり取り、恋愛模様が見えてきて、心理的な距離がぐっと縮まります。距離が縮まると、その人物がなぜあの時、あのタイミングで、あの行動を起こしたのかも理解しやすくなるのです。
人の本質がいちばん色濃く表れるのは「愛」だと言っても過言ではありません。偉人たちの恋愛や家族への思いを知れば、無機質に見えた教科書の文章が、急に生き生きとしたメッセージに変わります。
偉人を深く知るきっかけとして、ぜひ読んでほしい1冊です。



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