もちろん、これはあくまで個人の使用感だ。ただ、クリームを塗るというシンプルな行為の中に、肌の上にファインファイバーのネットワークを形成する技術が組み込まれていることを考えると、「吹き付ける」から「塗る」への転換によって、専用機器を使わずに取り入れられるようになったことは、大きな変化だ。
なぜクリーム? 1万4300円という価格に込めた狙い
では、なぜ新たな製品形態として「クリーム」を選んだのか。
その理由の一つが、ファインファイバー技術が担ってきた役割にある。バイオミメシス ヴェールは、化粧水や乳液などで肌を整えた後の「最後の仕上げ」として使う商品だった。ファインファイバーによって肌表面に薄い膜をつくり、うるおいを守る。その考え方が、今回のクリームにも引き継がれている。
つまり、バイオミメシス ヴェールで提案してきた「最後に膜をつくる」という考え方を、より日常的なスキンケアに取り入れる。その方法として選ばれたのが、クリームという形だった。
「現時点で、我々が持っている技術を詰め込んだ商品」と、内田さんは今回のクリームについて説明する。
一方で、ファインファイバー技術の研究そのものが終わったわけではない。より多くの人が使える形にすることで、技術を次の段階へ進めようとしている。
そこで気になるのが、価格設定だ。
「エスト ジェノリュクス クリーム」は50gで1万4300円。レフィルは1万3750円だ。
estブランドマネジャーの清原麻紀子さんによると、百貨店市場のクリームでは1万~2万円程度の価格帯が大きなボリュームを占めているという。
エストも百貨店を中心に展開するブランドだ。今回の商品には約10年にわたって研究してきた技術を採用しているが、価格を大きく引き上げるのではなく、百貨店クリームの中心的な価格帯に収めた。
約10年にわたって研究してきた技術を、研究室の成果で終わらせず、実際に使ってもらえる商品へとつなげる。その意味で、1万4300円という価格にも、独自技術をより多くの生活者に届けたいという考えが込められている。


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