今回の新商品には、もう一つの狙いがある。それは、エストにとって課題となっていたクリームカテゴリーの強化だ。
清原さんによると、エストではクリームの売り上げ構成比は5%未満。これまでブランドを代表するクリームもなかったという。
そこで今回、ファインファイバーという独自技術を搭載した新商品を投入。単なるラインアップの拡充ではなく、クリームカテゴリーそのものを伸ばす商品として位置づけている。
エストが掲げるのは、発売後2カ月間でクリームカテゴリーの売り上げを前年同期比で6倍超にするという目標だ。
取材時点では発売から約10日間だったが、予約を含めた販売状況は「想定以上」だったという。これまでエストを知らなかった人が、今回の商品をきっかけにブランドを知るケースもあるという。
もっとも発売直後の反響だけで今後の成否を判断することはできない。今後、実際の使用者が継続して購入するのか、クリームカテゴリーの売り上げ拡大につながるのかが、6倍という目標を検証するポイントになる。
研究成果を「事業」にできるか
約10年かけて育てた技術を、専用機器から日常のクリームへ。さらに、旭化成との技術融合によって新たな素材を開発し、エストのクリームカテゴリーの成長にもつなげようとしている。
研究成果を商品にするだけでなく、生活者に使ってもらい、事業として育てていく。今回のクリームは、花王が長年育ててきた技術を次のステージへ進める一手ともいえる。
今後、ファインファイバー技術がどのような商品へ展開されていくのかにも注目したい。


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