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ライフ #戦う哲学者の晩年の独白

死ぬのがあまり嫌ではなくなった"戦う哲学者"が、じわじわとわかるようになった「私はこの体の中にいる」という幻想

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中島義道 戦う哲学者
筆者は最近、介護施設でのショートステイを経験。部屋にこもって過ごしたという(写真は2013年の取材時のもの。撮影:風間仁一郎)

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体が麻痺していると、心もひどく憂鬱になります。幸いどうにかしゃべることはできるのですが、将来のことを考えると絶望的で、うつになってしまうんです。

こういう状態でも、医者の力を借りようとは思いません。そもそも、あまり医者を信じていません。外科などが傷を治してくれるのはいいですが、心のことなんてわからないでしょう。精神医学というものを、私はまったく信じていないのです。

朝、日が上がらなければいいのにと思います。頑張って起きても、家内があれこれ怒ってくる。向こうも私の世話で大変だとは思いますけどね。夜は何もしなくていいから、楽です。

死ぬのがあまり嫌ではなくなり、以前よりは楽になった

なんでこうやって生きているのかなと思います。ただ、死ぬのもあまり嫌ではなくなったから、以前よりは楽になったのかもしれません。

もう80歳ですから、どう考えても10年以内には死ぬだろうと思っています。テレビで2050年問題などと言っているのを見ると、そのときには自分はもう死んでいるだろうな、という見方をするようになりました。高齢者は、こう考えて毎日ニュースを見ているんだなと改めて思います。

だからといって、そちらの方向にばかり流されないよう、どうにか頑張ろうとは思っています。とくに希望があるわけではないのですが。

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