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ライフ #戦う哲学者の晩年の独白

戦う哲学者が脳出血を経て行き着いた「死んで、かつ死なない」境地…20歳から60年恐れた「死後の永遠の無」は錯覚だった?

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中島義道 哲学者
以前は部屋に油絵作品がたくさん置かれていたが、「もう描いていない」という(写真は2013年の取材時のもの。撮影:風間仁一郎)

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今年の7月9日で80歳になりました。(私の本をこれまで読んできてくれた人には悪いんだけれども?)今までとかなり考え方が変わりました。

3年前に脳出血を起こし、左半身が不自由に

大きなきっかけは、3年前に脳出血を起こしたことです。

今も左半身が不自由で、歩くのがきつい状況です。歩行器と杖を使って、駅までなど数キロはどうにか歩けるのですが、やっぱりくたびれますね。左手もあまりうまく動きませんが、完全に麻痺してはいませんから、ご飯は食べられます。

しゃべるのも、ちょっと言葉が発音しにくくてもつれますが、私が主宰している「哲学塾カント」の講師をこの3年間も休まずに続けてこられましたので、一応は通じているみたいです。

一番変わったのは、気力がなくなったことです。「何々したい」と思うことはもうありません。ヨーロッパにも行きたくないし、飛行機に乗るのもめんどくさい。油絵ももう描いていません。

今はほとんど一日中、マンションの割と広い部屋の中にいます。あまりずっと寝ているのも困りますので、時々意図的に起き上がって部屋の中を歩いたりはしていますが、きついですよね、普通の意味では。

でも、これは哲学するのにはいいのかもしれません。ほかのことを考えなくていいですから。

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