今年も、この季節がやってきた。曹洞宗大本山永平寺の約100人の役寮、雲衲衆(うんのうしゅう)による法要が行われた後、九頭竜川に数千基の灯籠が流された。
39回目を迎えた、福井県永平寺町大燈籠ながしのひと幕だ。
荘厳な雰囲気ではあるが、同町民を含めた近隣市町村の人たちにとっては、花火大会も併せて開催されることから夏の風物詩として定着しており、人々の温かな笑顔が広がる心落ち着く空間である。
そんな永平寺町が自動運転の町として全国に知られるようになったのは、この10年ほどのことだ。
旧・京福電気鉄道永平寺線の路線跡地を活用した、全長約6kmの歩行者・自転車専用道の遊歩道「永平寺参(まい)ロード」に、電磁誘導線を埋設して自動運転の実証実験および社会実装を実施。
経済産業省の補助事業として、産業技術総合研究所、ヤマハ発動機、永平寺町、自動運転の運行業務を受託する「まちづくり株式会社ZENコネクト」などが連携する形で、運用されてきた。
道路交通法や道路運送車両法などの法改正、また住民の生活における社会受容性の観点から、関係各省庁による視察も数多く行われた。岸田文雄総理(当時)も雪が舞う中、永平寺町でレベル4自動運転を体験している。
そんな永平寺町でのレベル4自動運転が今年3月末で休止した。
理由について永平寺町の河合永充(かわいひさみつ)町長は、「車両やシステムの保証・保守期間が終了したためだ」と説明する。
「移動」という生活に必要な要素
永平寺町が目指しているのは、住んでいる地域や年齢にかかわらず、生活に必要な移動ができる環境をつくること。
子どもの通学、高齢者の通院や買い物など、町民の移動をどう守っていくか。そのひとつの手段として、自動運転に取り組んできた経緯がある。


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