そのうえで「全国に先駆けてレベル4自動運転を実際の移動サービスとして運行できたことは、大きな経験になった。一方で、実際に運行したからこそ『クルマを自動で走らせること』と『公共交通として長く維持すること』は別の課題だということもわかった」と実感を込める。
自動運転の車両を走らせる技術だけではなく、保守体制、財源、運用主体、そして利用者と地域の理解まで含めて考える必要があるとし、現時点では運行再開の目処は立っていない。
では、自動運転の取り組みによって町に残ったものは何か。「車両や技術だけではない」と、河合町長は言い切る。
自動運転をきっかけに、地域の中で「自分たちの移動を将来どう守るか」を考える機会としてMaas会議を開催し、その中から発展してきた取り組みのひとつが「近助タクシー」である。
自動運転は「技術で移動を支える取り組み」である一方で、近助タクシーは町内4つのエリアに拡大し、地域住民がドライバーとなって地域の移動を支える取り組みでもあった。
「永平寺町としては、自動運転か人による運転かの二者択一ではなく、地域に合った方法を組み合わせていくことが大切だと考えている」(同)
自動運転の普及で考えるべきこと
では、これまでの学びとして、自動運転を普及させるために必要なことは何か。
「車両を導入するだけではなく、保守、部品供給、システム更新、遠隔監視、車両更新など、長期的な費用と体制を最初から考える必要がある」(同)として、自治体だけで維持することには限界があり、国、自治体、事業者がどう役割や費用を分担するのかの検討が必要だと指摘する。
ゴルフカートをベースに大幅に改良した自動運転車を使用していた
そして、「もうひとつ重要なのは、『自動運転をどこで走らせるか』を基点に考えるのではなく、『誰がどんな移動に困っているのか』から考えることだ」(同)という点だ。


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