警察官が到着するまで、居合わせた客の協力も得ながら対応し、トラブルは無事収束。「その後、スタッフが、そのお客様からお申し出を頂き、お茶での乾杯とその撮影を行った」と説明している。つまり、SNS上で炎上の火種になりそうだった飲酒疑惑は撮影者の勘違いだったのだ。
資さんうどん側は、スタッフの振る舞いについても全面的に正当化せず「店内での配慮不足の行動であった」と謝罪。動画の投稿から約16時間という比較的短い時間で事情を説明し、配慮不足だった点についても謝罪した。初動としてはかなり早かったと言えるだろう。
SNSは推測で炎上が生まれる場所
今回の一件で恐ろしいのは、店員の飲酒、従業員自撮りなど、映像だけでは確認できない事情まで推測によって補われていったことだ。
報道機関なら、事実確認もせず「飲酒しているのではないか」という推測だけで記事を出せば問題になる。ところがSNSでは、その程度の推測でも一瞬で数百万人に届いてしまう。
100年以上前、米国のジャーナリストであるウォルター・リップマンは「人間は見てから意味付けするのではない。先に意味づけし、それから見る」と指摘したが、投稿者の思い込みからあわや大炎上となる危険性もあった今回の騒動は、まさにこの言葉を思い起こさせる。
さらにSNSが厄介なことはデマを訂正するのが非常に難しいことだ。なぜならデマ、フェイクニュースの方が刺激的であり、訂正情報よりも人の注目を浴びるからだ。これはネット上では「ブランドリーニの法則」と呼ばれる経験則で、「でたらめを反証するために必要なエネルギーは、でたらめを作るために必要なエネルギーより一桁大きい」と言われる。
特に現在のSNSでは怒りを喚起する投稿ほど共有されやすいことが、複数の研究で指摘されており、デマやフェイクニュースの訂正はさらに難しくなっている。


※ログイン後、コメント入力が可能です。